※注意

『君の名は。』のネタバレを含みます


















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あの男(新海誠)はーっ!!

劇場に若者たちが大勢やってきて大入りだった。あの新海誠のアニメにだ。
今でもちょっと信じられない。
以前だったらマイナー配給のサブカル系映画館で上映されてオタクの男性客ばかりで埋まっていたはずなのに(偏見)!!
なのに今回はいきなり天下の東宝の大作として大規模公開である。
周りが友達連れとカップルの若者ばっかりで私は居心地が悪かったぞバカヤロオオオオオオ(泣き)!!

今までの過去作はどれも、決して手の届かない遠く離れた所へ行ってしまった想い人との思い出に囚われ未練を引きずり「どうしてこの世界は僕を孤独にするんだろう。どうして時は過ぎてしまうんだろう」と自意識をこじらせナルシズムに浸るまさに非リア充と非モテ層のためにあるような作品ばかりだった。
共感しつつも最後には死にたくなる気分になるんだよね・・。
散々アニメファンとオタクにトラウマを与えたまま評価を集める踏み台にして置き去りにして、リア充の若者向け・大衆向けを作るメジャー作家の位置に羽ばたいちまうのかよ!!新海誠のバカヤロオオオオオオ!!
そのくせオタクが過剰反応しそうな萌えアニメみたいなあざといお色気シーンもしれっと今回で初めて入れたりしている。商売上手でいやらしいぞコノヤロオオオオオオ!!
初めて新海アニメを観て衝撃を受けたのであろう初々しい高評価のレビューが並んでいてそーだそーだ凄いだろ私は前から凄い作家だって知ってたんだぞと自慢したくなる誇らしい気持ちになっちゃうぞオメデトオオオオオオ!!

序盤の明るく軽いコメディ調のノリにはニヤニヤしつつも、ああもう私の知る以前の新海アニメじゃないんだなと少し寂しい気分にもなった。
・・が、お互いが入れ替わっていることに気づいた瞬間に歌が流れ疾走感溢れるスピードで入れ替わり生活のあれこれを一気に描き切ってしまう。
そして雰囲気がガラッと変わって決して手の届かない遠く離れた所にいる人に想いをはせる物語に移行していく。なんだよ「ほしのこえ」じゃないか!!
やっぱり私の知っている新海アニメじゃないか!!
やること憎いよコンチクショオオオオオオ!!

記憶が失われていく焦燥感と絶望感も合わさり切なさは過去最高。序盤にニヤニヤさせられたおかげで二人に愛着が湧き応援したくなる気持ちでいっぱいになり胸が高鳴っていく。
リア充爆発しろといわんばかりに落ちてくる隕石にだって二人は引き裂けない。
リア充めまぶしすぎるぞコンチクショオオオオオオ!!

ラストシーン付近の雰囲気には「秒速5センチメートル」のデジャヴを感じて、結局いつもの新海アニメで終わってしまうのかと思いきや・・ハラハラさせやがってコノヤロオオオオオオ!!
過去作を知っているからこそ、本作のハッピーエンドが長い長い憂鬱を乗り越えてようやくたどり着いた特別なものに感じられて感慨深いのである。

新海の代名詞である美しい背景も健在でありながら一味違う。
以前は背景の美しさをこれ見よがしに強調しようとキャラクターを呑み込んでしまうほどの大きさの静止画でじっくりと映され、時間が止まっているような奇妙な情感が生まれ憂鬱な雰囲気をより強めていた。
本作では背景が自己主張をやめアニメであることを忘れてしまうようなリアルさを感じさせる映像になっており、長い長い寂しい夢から覚め止まっていた時間が遂に動き出し何かが始まるようなワクワクする感覚がある。
これもまた過去作を知っているからこその感慨である。

上映終了後、友達に泣いてねーよ!と強がっている男の子がいた。ああ青春だなぁ。ピュアだなぁ。泣いていいんだよ!泣いちゃえよオオオオオオ!!
この映画もピュアで若々しくて青臭い。だからこそ素晴らしいんだ。
成熟した大人の視点がないからこそ輝くものがある。

ああそれは今の私には決して届かないものなのだ・・。
結局死にたくなる気分になったじゃないかバカヤロオオオオオオ(笑)!!



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この話題への反応




・このレビュー最高にわかる。

・的確過ぎて笑ったwwwホントこれだわw

・あの男(新海誠監督)はっ!すこ

・過去の新海作品見た身からしたら、このレビューのこともこの通りで、ああ、新海監督にいい感じに裏切られたんだ、っていうのもわかりました。

・このレビューが的確すぎて

・バレアリ。新海追ってる勢の的確な感想。

・こ、これ!!私が言いたい事この人が叫んでくれてる…!新海誠のバカヤロオオオオオオオオ!!!!

・本当にそうだと思うオオオオオオ!



















その気持ちよく分かるよオオオオオオオオオオ





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