2016.3.25 03:00
TVタックルで紹介された「ひきこもり支援業者」が酷すぎると炎上!精神科医「これ普通に軽犯罪でしょ」
TVタックル「大人のひきこもり」特集の支援業者が物議 精神科医・斎藤環氏は「ヤンキー上がりの引き出し業者」と批判
https://news.careerconnection.jp/?p=22514
記事によると
・「ビートたけしのTVタックル」で30代から40代の引きこもりにスポットをあてた特集が組まれた。
・そこで大人のひきこもりの自立にも取り組む組織として「ワンステップスクール伊藤学校」が取り上げられたが、この学校のやり方がとてつもなく暴力的であったため、炎上している。
・「何が何でも家から出す」として部屋のドアをぶち破り、恫喝し、徹底的に暴力によって引きずり出していた。
・この番組を見た「ひきこもり救出マニュアル」などの著作がある精神科医の斎藤環医師が「伊藤学校はヤンキー上がりの引き出し業者」だと猛烈批判し、その行動は軽犯罪であると指摘した。
・斎藤環医師は「まずは、当事者の不安をじっくりと受けとめることに努め、支援者自身が焦らないことが何よりも大切です」とした上で、BPOへの審査要請呼びかけると強く訴えた。
斎藤環医師の怒りのツイート
テレビ朝日は2000年代初頭に長田百合子を持ち上げて、アイメンタルスクール事件の遠因を作った局の一つだが、また興味本位で中高年ひきこもりへの暴力を放映しているね。 #TVタックル
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2016年3月21日
厚労省がひきこもりをなんとか医療に囲い込もうとする姿勢も問題だけれど、ワンステップスクール伊藤学校のような暴力的な引き出し業者を排除するためには医療化もやむなしか。せめてNHKだけは訴訟に懲りてあの轍を踏まないことを祈るばかり。#TVタックル
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2016年3月21日
この学校業者の「なんかあってからじゃ遅い」という言葉を、すべてのテレビ局に捧げたいですね。スクールの寮生から僕のところにSOSが来たら、弁護士くらいは紹介できる。長田百合子がNHKの撮影に便宜を与えて当事者から訴えられ敗訴している事実をメディア関係者は他山の石とすべきでしょうね。
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2016年3月21日
支援業者がホンモノかニセモノかは、「訪問させていただく」という配慮の有無でわかる。ヤンキー業者は「老親を苦しめる悪を討つ」くらいの単純な正義感で突っ走るのでこういう配慮は皆無。ドア蹴破り、大声で恫喝、断りなしに土足で上がり込む、これ普通に軽犯罪でしょ。#TVタックル
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2016年3月22日
最大の問題は、支援対象への敬意がみじんも感じられないこと。あてこすり皮肉を言い不安を掻き立て、要するに本人を「おとしめる」ことしかしていない。支援対象をおとしめるのは、いかなる支援業界にあっても許されることではない。#TVタックル
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2016年3月22日
今回のケースの対処法
「いますぐ寮に行こう」と強要されそうになったら「明日から通院する予定なので行けません。僕が治療をうける権利を奪うんですか? 強要罪ですね」とあくまで冷静に指摘。もしテレビカメラが入っていたら、以上をカメラ目線で主張しよう。
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2016年3月22日
テレビスタッフに対しては「撮影をやめてください。私の画像を目の前で消去してください。この画像を番組で使用したら肖像権の侵害ですからBPOとおたくの番組のスポンサーに訴えます」と言おう。
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2016年3月22日
法的に正確かどうかより「関わるとめんどくさい奴」を演じきること。ヤンキーは反知性主義だからこういうのがいちばん苦手。
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2016年3月22日
BPOへの審査要請
とりあえずTVタックルの件はBPOに審査要請を出した。ひきこもりについてうかつな報道をするととてもめんどくさい人間が一人いる、と思ってもらえれば上出来。
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2016年3月22日
以下依頼文例:番組:ビートたけしのTVタックル 3月21日放映 23:15~24:15
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2016年3月22日
同番組で「ワンステップスクール伊藤学校」による「ひきこもり支援現場」が放映されました。
彼らは両親の依頼を受け、事前にひきこもり当事者の十分な許諾を得ることなく、当事者の部屋に土足であがりこみ、長時間の説得、恫喝、怒鳴り上げ、ドアを蹴り破るなどの暴力的な手法で当事者を部屋から連れ出し、共同生活の寮に連れて行き作業をさせるという「支援」を行う事業所です。
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2016年3月22日
10年ほど前にほぼ同様の手法で支援活動をしていた「長田塾」を持ち上げたのもテレビ朝日ですが、長田塾はその強引な手法を塾生から訴えられて敗訴、関連機関のアイメンタルスクールの経営者は塾生を監禁して死亡させ逮捕という事件を起こしています。
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2016年3月22日
まともな専門家や支援者には一切取材せず、こうした暴力的な手法を採る業者だけを肯定的に取り上げる報道姿勢には、世間への目配りと迎合はあっても、適切な人権意識が欠けています。ぜひとも審査対象としていただきたいと思います。
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2016年3月22日
この話題に対する反応
・テレビみてました。手法は確かに荒っぽいですね。かつて不登校児を集めていた戸塚ヨットスクールを思い出しました。
・こういう番組ホント多いですね。「まともな治療者、支援者はメディアに患者を売ったりしない」「取材したければ何度も彼らと接触して信頼関係を作り、個別に依頼するのが当然」その通りです。
・観ててこの方法じゃいつか自殺者が出ると思った。ホント脅迫だった。
・見てないけど酷かったみたいですね。無理やり出して良くなると思ってるのかな。環境が悪いのに。
ドア破ってたところはリアルタイムで見て絶句してたけど・・・
やっぱりアレはやり過ぎなのかなぁ


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